はじめに
突然のタイヤのパンクは、日々の移動に大きな支障をきたします。
しかし、適切な知識とツールがあれば、誰でも簡単にパンク修理が可能です。
この記事では、特に8.5インチサイズのタイヤを対象に、分かりやすく具体的な修理プロセスを解説します。
適切な代替チューブの選択方法から、必要な工具とその使用方法まで、初心者でも迷わず修理を完了できるように丁寧にガイドします。
この情報があれば、次回のパンクも恐れることなく、迅速に対応できるでしょう。
インナーチューブの選び方
パンクしたタイヤを復活させるための重要なステップは、適切なインナーチューブを選ぶことです。
選択肢は多岐にわたりますが、価格帯は概ね1,000円以下から2,000円前後が一般的です。
安価なものに手を出すのは誘惑的かもしれませんが、あまりに安い製品は品質が疑わしい場合もあります。
多くは名の知られていない海外製で、具体的なメーカー情報や品質評価を確認するのが難しいのが実情です。
しかし、この価格帯では高額な投資をすることなく、様々なメーカーのものを試すことが可能です。1,000円程度の出費であれば、もしも製品が期待に応えなくても、大きな痛手にはならないでしょう。
重要なのは、バルブの形状を確認し、ストレートタイプを選ぶことです。
また、製品のレビューや購入者のフィードバックを確認し、実際の使用感や耐久性についての情報を収集することも有効です。
確認すべきポイント
8.5インチのチューブであること。
チューブ表面に書かれている表記が「8 1/2x2」となっているもの。
ストレートタイプのバルブを持つチューブを選び、L字型のものは避ける。
特に、これらのインナーチューブは中国製が主流であり、発送元も多くの場合中国です。
そのため、製品の到着までには2週間程度かかることもありますので、修理の計画を立てる際には余裕を持ったスケジュール、もしくは事前に購入しておくことを考えてください。
適切なインナーチューブを選ぶことは、パンク修理の成功に直結します。
価格と品質のバランスを考えながら、信頼できる製品を選択しましょう。
安心して乗り続けるためにも、適切な投資を惜しまずに、良質なチューブを選ぶことが何よりも重要です。
タイヤ交換
作業手順動画
タイヤ交換の参考になるのが、以下の解説動画です。
eXs1ではなくXiaomi製品ですが、作業工程の大枠は同じです。
特にモーターカバーの取り外し方は非常に役立ちます。動画は英語ですが、映像を見れば作業の流れは理解できるはずです。
動画の下に作業の流れを段階的に記述します。動画と合わせて読むことにより、より作業がスムーズに進みます。
作業手順
1. フロントホイールの取り外し:
- 電動キックボードの準備: スクーターをブロック上に置き、車輪がテーブルから離れるようにして作業しやすくします。
- リフレクターステッカーの取り外し: シャープなナイフを使ってリフレクターのステッカーを丁寧に剥がします。剥がれたステッカーはオンラインで安価に購入できます。
- サイドカバーのボルトを外す: 2.5 mmの六角棒レンチ(アレンキー)を使って、フォークのサイドカバーを固定している4ボルトを外します。右側に2つ、左側に2つあります。
2. モーターの取り外しとタイヤの分離:
- アンチスピンワッシャーの取り外し: アクスルからアンチスピンワッシャーを取り外します。
これらはフォークの内側に小さなノッチが外向きになるようにフィットします。 - モーターボルトの緩和: プラスドライバーを使用して6つのモーターカバーのボルトを緩めます。
- 車軸の抜き出し: ハンマーを使用して車軸を軽く叩き、モーターカバーとホイールの間にわずかな隙間ができるまで押します。
モーターケーブルを引っ張らないよう注意しながら、モーターをホイールから外します。
3. タイヤの取り外しとインナーチューブの交換:
- バルブキャップとワッシャーの取り外し: バルブキャップと小さなワッシャーを取り外します。
- タイヤの空気抜き: タイヤを完全に空気抜きします。これにより、タイヤをリムから外しやすくなります。
- タイヤの圧縮: モールグリップまたはパイプグリップを使用してタイヤを圧縮し、タイヤレバーでタイヤをリムから外します。
- インナーチューブの取り出し: 古いインナーチューブを取り出し、新しいものを取り付けます。
この際、タイヤの内側に異物がないか確認し、タイヤの方向が正しいことを確認します。
4. タイヤとモーターの再装着:
- タイヤのリムへの再装着: タイヤをリムに戻します。タイヤを片側に押し下げて反対側にスラックを作り、モールグリップを使用してタイヤをリムの中に押し込みます。
- モーターの再装着: バルブの位置とモーターの位置が合っていることを確認した上で、モーターをホイールに再装着します。モーターボルトを交互に締めて、モーターを均等に固定します。
5. ホイールの取り付けと調整:
- ホイールのフォークへの取り付け: ホイールをフォークに戻し、ナットとボルトを締めます。
- 空気圧の調整: タイヤに適切な空気圧を確認して、適切なPSI(Pa)で膨らませ、バルブキャップを取り付けます。
※私の購入した8.5インチタイヤに記載されていた空気圧は50PSI(350Pa)となっていました。各自のタイヤにあった空気圧を調べたうえ調整を行ってください。
これらの手順を細心の注意を払って行い、適切なツールと安全対策を使用してください。
作業には十分な時間と注意が必要です。
修理に必要な工具
六角棒レンチ
- 用途: ナットカバーの六角穴付きボルトの取り外しに使用します。
- 必要サイズ: 2面幅2mmのもの。
- 注意点: 正確なサイズのレンチを使用しないと、ボルトの頭を痛める原因になるため注意が必要です。
スパナまたはモンキーレンチ
- 用途: フロントフォークからタイヤを外す際に使用します。
- 必要サイズ: 二面幅17mmのスパナが理想的です。
- 代替: サイズが合えばモンキーレンチでも作業可能ですが、スパナの方が作業がしやすい場合が多いです。
- 注意点: 締め付けすぎないように注意し、ボルトやナットを痛めないようにします。
プラスドライバー
- 用途: モーターカバーの取り外しや、細かな部品の調整に必要です。
- 推奨タイプ: M3-M5のネジが回せるNo.2タイプ。
- 注意点: ドライバーの先がネジにしっかりフィットしていないと、ネジの頭を丸める原因になります。また、ホイールの皿ネジは舐めやすいので特に注意が必要です。
ネジを舐めないネジ回しのコツは、回す力より押す力が重要です。
舐めたらそこで試合終了です。
ハンマー
- 用途: バルブナットを外すため、またはホイールの中心にあるモーター部分を外す際に使用します。
- 推奨タイプ: プラスチックまたはゴムハンマー。
- 注意点: 金属ハンマーは部品を痛める可能性があるため避け、適切な強さで叩くことが重要です。
タイヤレバー
- 用途: タイヤの着脱に必須。タイヤとリムの間に差し込み、レバーを動かしてタイヤを外します。
- 推奨: 自転車用のタイヤレバーで代用可能ですが、専用工具があるとより効率的です。
- 注意点: タイヤやチューブを痛めないように、力を入れすぎず慎重に作業を行います。
この作業は慣れが必要です。最初は大変ですが根気よくあきらめないで頑張りましょう。
バイクの小径タイヤ交換動画なども参考になります。
空気入れ
- 用途: タイヤに空気を入れるために使用します。
- 注意点: エアバルブがホイール面からほとんど飛び出していないため、自転車用の空気入れではなく、自動車用の直接ねじ込むタイプのものが必要です。
自動車をお持ちの方なら、備え付けられている純正エアーコンプレッサーでも問題ありません。
まとめ
これらの工具を用意し、それぞれの正しい使い方を理解しておくことで、eXs1電動キックボードのパンク修理をスムーズに行うことができます。
作業を始める前に、これらの工具がすべて揃っていることを確認し、必要に応じて事前に調達しておくことをお勧めします。